3Dマッピングシステム徹底攻略!
[Web動画付]
アブレーション治療成績を上げよう
定価 7,920円(税込) (本体7,200円+税)
- B5変型判 336ページ 写真350点,Web動画(93本)
- 2023年10月1日刊行
- ISBN978-4-7583-2204-1
電子版
序文
今回,『3Dマッピングシステム徹底攻略! アブレーション治療成績を上げよう』という3Dマッピングシステムに特化した書籍を企画させて頂きました。近年,3Dマッピングシステムの進歩が著しく高度化してより多機能になっていることで,より専門的な知識が必要となっています。現在,CARTO®システム,EnSite™ NAVXシステム,RHYTHMIA™と3種類のマッピングシステムが使用可能ですが,どのマッピングシステムをどのように使用していくかについて学会や研究会で活発に議論されています。
3Dマッピングシステムはアブレーション治療戦略に必要不可欠なツールになっており,すなわち,アブレーション治療の成功において3Dマッピングを最大限に発揮する能力が臨床的に求められているといえます。例えば,これまでは,ILVTのカテーテルアブレーションにおいて心内心電図により記録されたP1とP2電位を参照にして至適通電部位を判断していましたが,以下に提示させて頂いたILVTの症例においてはEnSite™ NAVXシステムによって頻拍回路のExit siteに存在する必須緩徐部位を同定することでアブレーションに成功しています。頻拍中のマッピングにおけるP1電位の興奮伝播は図のd部位に集約し,緩徐に伝導して心室へExitして伝播することが判明しました。3DマッピングがILVTの回路の推定とアブレーション焼灼部位の決定に極めて有用であったと考えています。
本書の作成にあたって,各分野のエキスパートに依頼しご執筆頂きました。普段の臨床で心掛けているTipsやPointを記載してできるだけ分かりやすくして頂いており,本書を熟読することで皆様がマッピングの基本と応用を理解することができ,複雑なアブレーションにも応用できるようになるのではと信じています。本書がアブレーション治療における新たなバイブルとなることを期待しています。最後に,執筆に携わって頂いた先生方,刊行にあたりご尽力して頂いたメジカルビュー社の方々に感謝いたします。
2023年8月
中村啓二郎
----------------------------------
刊行にあたって
不整脈に対するカテーテルアブレーション治療は,3Dマッピングシステムの進化とともに目覚ましい進展を遂げています。マッピングシステムは,不整脈の頻拍回路や基質を同定することにより不整脈のメカニズムを追求し,アブレーション治療の安全性や有効性を向上させます。マッピングシステムを制する者はアブレーションを制すると言っても過言ではありません。近年の3Dマッピングシステムはさまざまな機能や設定が増えており,それを十分に使いこなすには専門的な知識や経験が必要となっています。しかし,そのようなシステムの進歩に追いつくことは容易ではなく,十分に使いこなせていない医師や臨床工学技士も少なからずいらっしゃるのが現状と思います。
本書『3Dマッピングシステム徹底攻略!アブレーション治療成績を上げよう』では,カテーテルアブレーション治療において3Dマッピングシステムを最大限に活用するための必要な知識とノウハウを提供します。本書では,現在日本で使用可能なCARTO®,Ensite™ NAVX,RHYTHMIA™の3種類の3Dマッピングシステムの特長や使い方,さらに最新のマッピングシステムによるエキスパートによる解釈と治療戦略を網羅的に解説します。基礎編と応用編に分け,基礎編ではマッピングシステムを使用するためのシステムの設定や使い方の基本を解説します。応用編では,より臨床に役立つように,マッピングに準じた所見を基に症例ベースで解説します。アブレーションに携わる医師や臨床工学技士だけでなく,不整脈診療に携わる医療従事者全員が,本書を通じて3Dマッピングシステムを効果的に活用していただけるようになり,本書が治療に貢献できることを目指します。
本書の執筆陣は,臨床における3Dマッピングシステムの実践的な活用方法について豊富な知識と経験を持つ専門家です。執筆に携わった先生方に深く感謝します。また,刊行にあたりご尽力いただけました高橋萌氏に厚く御礼申し上げます。本書が読者の皆様のアブレーション治療成績の向上に役立ち,アブレーション治療を受ける患者さんの助けになることを心より願っています。
2023年8月
小松雄樹
3Dマッピングシステムはアブレーション治療戦略に必要不可欠なツールになっており,すなわち,アブレーション治療の成功において3Dマッピングを最大限に発揮する能力が臨床的に求められているといえます。例えば,これまでは,ILVTのカテーテルアブレーションにおいて心内心電図により記録されたP1とP2電位を参照にして至適通電部位を判断していましたが,以下に提示させて頂いたILVTの症例においてはEnSite™ NAVXシステムによって頻拍回路のExit siteに存在する必須緩徐部位を同定することでアブレーションに成功しています。頻拍中のマッピングにおけるP1電位の興奮伝播は図のd部位に集約し,緩徐に伝導して心室へExitして伝播することが判明しました。3DマッピングがILVTの回路の推定とアブレーション焼灼部位の決定に極めて有用であったと考えています。
本書の作成にあたって,各分野のエキスパートに依頼しご執筆頂きました。普段の臨床で心掛けているTipsやPointを記載してできるだけ分かりやすくして頂いており,本書を熟読することで皆様がマッピングの基本と応用を理解することができ,複雑なアブレーションにも応用できるようになるのではと信じています。本書がアブレーション治療における新たなバイブルとなることを期待しています。最後に,執筆に携わって頂いた先生方,刊行にあたりご尽力して頂いたメジカルビュー社の方々に感謝いたします。
2023年8月
中村啓二郎
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刊行にあたって
不整脈に対するカテーテルアブレーション治療は,3Dマッピングシステムの進化とともに目覚ましい進展を遂げています。マッピングシステムは,不整脈の頻拍回路や基質を同定することにより不整脈のメカニズムを追求し,アブレーション治療の安全性や有効性を向上させます。マッピングシステムを制する者はアブレーションを制すると言っても過言ではありません。近年の3Dマッピングシステムはさまざまな機能や設定が増えており,それを十分に使いこなすには専門的な知識や経験が必要となっています。しかし,そのようなシステムの進歩に追いつくことは容易ではなく,十分に使いこなせていない医師や臨床工学技士も少なからずいらっしゃるのが現状と思います。
本書『3Dマッピングシステム徹底攻略!アブレーション治療成績を上げよう』では,カテーテルアブレーション治療において3Dマッピングシステムを最大限に活用するための必要な知識とノウハウを提供します。本書では,現在日本で使用可能なCARTO®,Ensite™ NAVX,RHYTHMIA™の3種類の3Dマッピングシステムの特長や使い方,さらに最新のマッピングシステムによるエキスパートによる解釈と治療戦略を網羅的に解説します。基礎編と応用編に分け,基礎編ではマッピングシステムを使用するためのシステムの設定や使い方の基本を解説します。応用編では,より臨床に役立つように,マッピングに準じた所見を基に症例ベースで解説します。アブレーションに携わる医師や臨床工学技士だけでなく,不整脈診療に携わる医療従事者全員が,本書を通じて3Dマッピングシステムを効果的に活用していただけるようになり,本書が治療に貢献できることを目指します。
本書の執筆陣は,臨床における3Dマッピングシステムの実践的な活用方法について豊富な知識と経験を持つ専門家です。執筆に携わった先生方に深く感謝します。また,刊行にあたりご尽力いただけました高橋萌氏に厚く御礼申し上げます。本書が読者の皆様のアブレーション治療成績の向上に役立ち,アブレーション治療を受ける患者さんの助けになることを心より願っています。
2023年8月
小松雄樹
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目次
基礎編
3Dマッピングシステムに必要な心臓解剖の知識 [森 俊平]
3Dマッピングシステムに必要な局所電位の知識 [滝川正晃]
3Dマッピングの概論(CARTO®, EnSite™, RHYTHMIA™) [和田 遼,藤野紀之]
CARTO®
1 周辺機器セッティング [徳留大剛]
2 CONFIDENCE™ Moduleの設定 [坂元雄介]
3 SOUNDSTAR® [山形研一郎]
4 CARTOMERGE® [久佐茂樹]
EnSite™
1 EnSite™ナビゲーション原理(NavX/VoXel) [松永泰治]
2 セッティング/セットアップ [渡邉哲広]
3 EnSite™マッピングの基本 [深谷英平]
4 EnSite™ Xでのマッピングにおける応用 [中島夏奈,山口尊則]
RHYTHMIA™
1 RHYTHMIA™のコンセプトとナビゲーション原理 [田中泰章]
2 RHYTHMIA™の機器セッティング/セットアップ [田中泰章]
3 RHYTHMIA™のマッピングの設定と種類 [田中泰章]
応用編
CARTO®
1 心房細動で使いこなす [髙橋良英]
2 心房頻拍で使いこなす [福永真人]
3 WPW症候群で使いこなす —Open Window Mappingを用いたWPW症候群のアブレーション— [水谷吉晶]
4 心室期外収縮で使いこなす [田坂浩嗣]
5 心室頻拍で使いこなす [小松雄樹]
6 エキスパートによるマッピングの検証
CARTO®を使用した難治性AT治療戦略(1) [中村紘規]
CARTO®を使用した難治性AT治療戦略(2) [江島浩一郎]
CARTO®を使用した難治性VT治療戦略(1) [中島育太郎]
CARTO®を使用した難治性VT治療戦略(2) [水上 暁]
EnSite™
1 心房細動症例で使いこなす [中村啓二郎]
2 心房頻拍で使いこなす [西内 英]
3 WPW症候群で使いこなす [黒木健志]
4 心室期外収縮で使いこなす [林 達哉]
5 心室頻拍で使いこなす(1) [大久保健史]
6 心室頻拍で使いこなす(2) [西村卓郎]
7 エキスパートによるマッピングの検証
EnSite™ Xを使用した難治性AT治療戦略(1) [大西克実]
EnSite™ Xを使用した難治性AT治療戦略(2) [石末成哉,深谷英平]
EnSite™ Xを使用した難治性VT治療戦略(1) [西村卓郎]
EnSite™ Xを使用した難治性VT治療戦略(2) [中原志朗]
RHYTHMIA™
1 心房頻拍で使いこなす [林 健太郎]
2 WPW症候群で使いこなす [森 仁]
3 心室頻拍で使いこなす [山口 遼,坂元裕一郎]
4 エキスパートによるマッピングの検証
RHYTHMIA™を使用した難治性AT治療戦略(1) [北村 健]
RHYTHMIA™を使用した難治性AT治療戦略(2) [増田正晴]
3Dマッピングシステムに必要な心臓解剖の知識 [森 俊平]
3Dマッピングシステムに必要な局所電位の知識 [滝川正晃]
3Dマッピングの概論(CARTO®, EnSite™, RHYTHMIA™) [和田 遼,藤野紀之]
CARTO®
1 周辺機器セッティング [徳留大剛]
2 CONFIDENCE™ Moduleの設定 [坂元雄介]
3 SOUNDSTAR® [山形研一郎]
4 CARTOMERGE® [久佐茂樹]
EnSite™
1 EnSite™ナビゲーション原理(NavX/VoXel) [松永泰治]
2 セッティング/セットアップ [渡邉哲広]
3 EnSite™マッピングの基本 [深谷英平]
4 EnSite™ Xでのマッピングにおける応用 [中島夏奈,山口尊則]
RHYTHMIA™
1 RHYTHMIA™のコンセプトとナビゲーション原理 [田中泰章]
2 RHYTHMIA™の機器セッティング/セットアップ [田中泰章]
3 RHYTHMIA™のマッピングの設定と種類 [田中泰章]
応用編
CARTO®
1 心房細動で使いこなす [髙橋良英]
2 心房頻拍で使いこなす [福永真人]
3 WPW症候群で使いこなす —Open Window Mappingを用いたWPW症候群のアブレーション— [水谷吉晶]
4 心室期外収縮で使いこなす [田坂浩嗣]
5 心室頻拍で使いこなす [小松雄樹]
6 エキスパートによるマッピングの検証
CARTO®を使用した難治性AT治療戦略(1) [中村紘規]
CARTO®を使用した難治性AT治療戦略(2) [江島浩一郎]
CARTO®を使用した難治性VT治療戦略(1) [中島育太郎]
CARTO®を使用した難治性VT治療戦略(2) [水上 暁]
EnSite™
1 心房細動症例で使いこなす [中村啓二郎]
2 心房頻拍で使いこなす [西内 英]
3 WPW症候群で使いこなす [黒木健志]
4 心室期外収縮で使いこなす [林 達哉]
5 心室頻拍で使いこなす(1) [大久保健史]
6 心室頻拍で使いこなす(2) [西村卓郎]
7 エキスパートによるマッピングの検証
EnSite™ Xを使用した難治性AT治療戦略(1) [大西克実]
EnSite™ Xを使用した難治性AT治療戦略(2) [石末成哉,深谷英平]
EnSite™ Xを使用した難治性VT治療戦略(1) [西村卓郎]
EnSite™ Xを使用した難治性VT治療戦略(2) [中原志朗]
RHYTHMIA™
1 心房頻拍で使いこなす [林 健太郎]
2 WPW症候群で使いこなす [森 仁]
3 心室頻拍で使いこなす [山口 遼,坂元裕一郎]
4 エキスパートによるマッピングの検証
RHYTHMIA™を使用した難治性AT治療戦略(1) [北村 健]
RHYTHMIA™を使用した難治性AT治療戦略(2) [増田正晴]
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マッピングを制する者が不整脈診療を制す!
我が国で現在使用できる3種類のマッピングシステムの特徴・機能・使い方を,設定の流れがわかるよう画像を提示してわかりやすく説明。応用編ではシステムごとに,具体的臨床所見を用いて最新の機能を最大限に活用したエキスパートによるマッピングの解釈ならびに治療戦略や,どのように臨床に結び付けるかまで網羅。さらに動画も多数提示して,実地で役立つ内容にまとめている。