新OS NEXUS No.8
股関節の再建手術
[Web動画付]
定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
- A4判 216ページ オールカラー,イラスト200点,写真100点,Web動画(19本/86分)
- 2023年11月27日刊行
- ISBN978-4-7583-2158-7
電子版
序文
この度,「新OS NEXUS NO.8 股関節の再建手術」を発刊することになりました。
新OS NEXUSシリーズのテーマは「専攻医が経験すべき手術」としており,専攻医の間に執刀する可能性が高いものから,やや難易度が高い手術まで網羅するように企画・編集しています。股関節の骨切り術は,どこの施設でも施行されているものではないかもしれませんが,日本の先達が中心となり発展してきた分野でもあります。骨盤骨切り,大腿骨骨切りに分けて詳しく解説して頂いています。是非,匠の技のこだわりを味わって頂ければと思います。
人工股関節置換術(THA)は,我が国でも非常に多くの症例数があり,良好な臨床成績が得られています。日本整形外科学会の手術登録のJOANRの2021年度の報告書をみても年間66,210例であり,トップ3の手術数となっています。馴染み深い術式と言ってもいいでしょう。しかしひとことでTHAと言っても,さまざまな手術アプローチがあり,それぞれのコツおよび注意点を十分に理解して執刀しないと,選択したアプローチの利点が活かされません。その意味でも複数のアプローチについて取り上げて,注意すべきポイントなどについて多くの図を用いて解説して頂いています。インプラントの固定方法に関しては,セメントレスで固定する場合も多いと思われますが,ステムデザイン毎の注意すべき点があるため,セメントレスの手術手技には多くの紙面を割いています。一方,セメントでの対応が望ましい症例ももちろんあり,どちらの方法についても習熟しておく必要があるため,セメント固定についても詳しい解説をお願いしています。更に合併症対策,再置換や腫瘍用人工関節の項目も設け,盛りだくさんの内容となっていますが,股関節の再建手術全般にわたる理解を深めて頂ければと思っています。
新OS NEXUSシリーズではメジャーな手術に加えて,日常診療で行われることが多い比較的低侵襲な手術や保存療法も基本的手技として紹介しています。今回は股関節内病変切除,化膿性股関節炎,リーメンビューゲルを取り上げています。日頃の診療に役立て頂ければ幸いです。 本号も全国で精力的にご活躍中の先生方にご執筆いただいております。お忙しいところ執筆を快くお引き受け頂いた先生方に厚く御礼申し上げます。
本シリーズの内容が先生方の診療に役立つだけではなく,ご自分の手術をさらに良いものへ改善していくきっかけになることを祈念しております。
2023年10月
京都大学大学院医学研究科整形外科学教授
松田秀一
新OS NEXUSシリーズのテーマは「専攻医が経験すべき手術」としており,専攻医の間に執刀する可能性が高いものから,やや難易度が高い手術まで網羅するように企画・編集しています。股関節の骨切り術は,どこの施設でも施行されているものではないかもしれませんが,日本の先達が中心となり発展してきた分野でもあります。骨盤骨切り,大腿骨骨切りに分けて詳しく解説して頂いています。是非,匠の技のこだわりを味わって頂ければと思います。
人工股関節置換術(THA)は,我が国でも非常に多くの症例数があり,良好な臨床成績が得られています。日本整形外科学会の手術登録のJOANRの2021年度の報告書をみても年間66,210例であり,トップ3の手術数となっています。馴染み深い術式と言ってもいいでしょう。しかしひとことでTHAと言っても,さまざまな手術アプローチがあり,それぞれのコツおよび注意点を十分に理解して執刀しないと,選択したアプローチの利点が活かされません。その意味でも複数のアプローチについて取り上げて,注意すべきポイントなどについて多くの図を用いて解説して頂いています。インプラントの固定方法に関しては,セメントレスで固定する場合も多いと思われますが,ステムデザイン毎の注意すべき点があるため,セメントレスの手術手技には多くの紙面を割いています。一方,セメントでの対応が望ましい症例ももちろんあり,どちらの方法についても習熟しておく必要があるため,セメント固定についても詳しい解説をお願いしています。更に合併症対策,再置換や腫瘍用人工関節の項目も設け,盛りだくさんの内容となっていますが,股関節の再建手術全般にわたる理解を深めて頂ければと思っています。
新OS NEXUSシリーズではメジャーな手術に加えて,日常診療で行われることが多い比較的低侵襲な手術や保存療法も基本的手技として紹介しています。今回は股関節内病変切除,化膿性股関節炎,リーメンビューゲルを取り上げています。日頃の診療に役立て頂ければ幸いです。 本号も全国で精力的にご活躍中の先生方にご執筆いただいております。お忙しいところ執筆を快くお引き受け頂いた先生方に厚く御礼申し上げます。
本シリーズの内容が先生方の診療に役立つだけではなく,ご自分の手術をさらに良いものへ改善していくきっかけになることを祈念しております。
2023年10月
京都大学大学院医学研究科整形外科学教授
松田秀一
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目次
Ⅰ 骨切り術
外転筋侵襲を低減した大転子非切離の寛骨臼移動術 [中島康晴]
寛骨臼形成不全に対するCurved periacetabular osteotomy [木下浩一]
Spherical periacetabular osteotomy(SPO) [原 俊彦]
大腿骨転子間弯曲内反骨切り術 [髙橋大介]
大腿骨外反骨切り術 [高平尚伸ほか]
大腿骨頭回転骨切り術 [本村悟朗]
Ⅱ 人工股関節置換術
THAのアプローチ:後方進入 [泉 聡太朗ほか]
THAのアプローチ:側方進入 [池 裕之ほか]
THAのアプローチ:前外側進入 [河井利之]
THAのアプローチ:前方進入 [仲宗根 哲ほか]
セメントレスカップ [坂井孝司]
セメントカップ [後藤公志]
セメントレスステム:Tapered wedge [加畑多文]
セメントレスステム:Fit and fill straight [鈴木 萌ほか]
セメントレスステム:Anatomical stem [高橋詠二ほか]
セメントステム [䯨 賢一]
脚長不等・脱臼対策 [川口泰彦ほか]
Ⅲ 人工股関節再置換術
Revision THA:寛骨臼 [髙尾正樹]
Revision THA:大腿骨側-セメントレスステムを用いた再建術 [名越 智]
Ⅳ 骨腫瘍に対する手術
大腿骨近位端置換(転移性骨腫瘍) [坂本昭夫]
基本的手術手技
股関節内腫瘍性病変:滑膜性軟骨腫症,腱滑膜巨細胞腫,軟骨芽細胞腫など [西田佳弘]
化膿性股関節炎 [及川泰宏]
リーメンビューゲル [塚中真佐子]
外転筋侵襲を低減した大転子非切離の寛骨臼移動術 [中島康晴]
寛骨臼形成不全に対するCurved periacetabular osteotomy [木下浩一]
Spherical periacetabular osteotomy(SPO) [原 俊彦]
大腿骨転子間弯曲内反骨切り術 [髙橋大介]
大腿骨外反骨切り術 [高平尚伸ほか]
大腿骨頭回転骨切り術 [本村悟朗]
Ⅱ 人工股関節置換術
THAのアプローチ:後方進入 [泉 聡太朗ほか]
THAのアプローチ:側方進入 [池 裕之ほか]
THAのアプローチ:前外側進入 [河井利之]
THAのアプローチ:前方進入 [仲宗根 哲ほか]
セメントレスカップ [坂井孝司]
セメントカップ [後藤公志]
セメントレスステム:Tapered wedge [加畑多文]
セメントレスステム:Fit and fill straight [鈴木 萌ほか]
セメントレスステム:Anatomical stem [高橋詠二ほか]
セメントステム [䯨 賢一]
脚長不等・脱臼対策 [川口泰彦ほか]
Ⅲ 人工股関節再置換術
Revision THA:寛骨臼 [髙尾正樹]
Revision THA:大腿骨側-セメントレスステムを用いた再建術 [名越 智]
Ⅳ 骨腫瘍に対する手術
大腿骨近位端置換(転移性骨腫瘍) [坂本昭夫]
基本的手術手技
股関節内腫瘍性病変:滑膜性軟骨腫症,腱滑膜巨細胞腫,軟骨芽細胞腫など [西田佳弘]
化膿性股関節炎 [及川泰宏]
リーメンビューゲル [塚中真佐子]
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マスターしておきたい股関節再建手術の基本手技を解説!
「専攻医が経験すべき手術」を全20巻でほぼ網羅。メインの特集項目に加えて,手技の理解を深める解剖学的知識を示した「Anatomy Key Point」や,知っておくと有用な基本的手術・治療手技の紹介も毎号掲載し,専攻医として必要なスキルを漏れなくカバーできるシリーズ構成となっている。さらに前シリーズからの特徴である豊富な画像と精密なイラストに加えて今シーズンではストリーミング動画も配信し,静止画では伝わりづらい部分もよくわかる!
No. 8では股関節の再建手術を取り上げ,マスターしておきたい基本手技を解説する。