新OS NEXUS No.7
下肢の骨折手術2 膝~足部
[Web動画付]
定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
- A4判 188ページ オールカラー,Web動画(14本/17分)
- 2023年8月3日刊行
- ISBN978-4-7583-2157-0
電子版
序文
この度,『新OS NEXUS No. 7 下肢の骨折手術② 膝~足部』が完成しました。
本シリーズの源流は,1991年から刊行が始まった『OS NOW』です。多数のイラストの連続描写により,視覚に訴えて手術手技をわかりやすく解説する書籍でした。当時,このようなスタイルの書籍は珍しく,本シリーズで大変よく勉強させていただきました。
整形外科の手術は,この30年間で大きく進歩しました。骨折手術に限っても,プレートや髄内釘のデザインが大きく変わりました。デザインの革新は,インプラント機能のアップグレードだけでなく,骨折治療のコンセプトの変化にも連動してきました。そのような革新のたびに,本シリーズも常にアップグレードを繰り返してきました。
社会に目をやると,この30年間で一番大きな変革は,私たちを取り巻く通信環境です。日本で初めてインターネットサービスプロバイダ(ISP)が誕生したのは『OS NOW』刊行の翌年の1992年です。ほとんどの人がスマートフォンを所有する現在,ユビキタスネットワークは常識となりました。「視覚に訴える」手術参考書として発展してきた本シリーズですが,『新OS NEXUS』では,美しいイラストに加えて動画を見られるようになりました。しかも,とても簡単に! 「百聞不如一見(百聞は一見にしかず)」の「一見」に動画が加わったことで,さらにわかりやすい書籍にアップグレードしました。
膝から足部までの骨折に関して,今が旬で絶好調の整形外科医を指名して,執筆していただきました。内容の素晴らしさは言うまでもありません。なお,下腿開放骨折に対するデブリードマン,コンパートメント症候群に対する筋膜切開,一時的創外固定に関しては,メジカルビュー社から出版済みの『新OS NEXUS No. 4 下肢の骨折手術① 骨盤・大腿骨』や『一時的創外固定マニュアル(日本四肢再建・創外固定学会)』をご覧ください。
「百聞不如一見」は,漢の皇帝が,将軍の趙充国に,敵軍と戦うために必要な兵力を尋ねたときの返答であると言われています。この言葉には,「百見不如一考,百考不如一行,百行不如一効,百行不如一幸,百幸不如一皇」という続きがあります。後世に誰かが付け加えた創作なのですが,若い先生が,「イラストや動画を見て,しっかり考えて,手術をして,良い治療成績を出し,患者さんを幸せにし,日本の医療が発展する」ことに,本書が少しでも貢献できればと思います。
2023年7月
帝京大学医学部整形外科学講座教授
帝京大学医学部附属病院外傷センター長
渡部欣忍
本シリーズの源流は,1991年から刊行が始まった『OS NOW』です。多数のイラストの連続描写により,視覚に訴えて手術手技をわかりやすく解説する書籍でした。当時,このようなスタイルの書籍は珍しく,本シリーズで大変よく勉強させていただきました。
整形外科の手術は,この30年間で大きく進歩しました。骨折手術に限っても,プレートや髄内釘のデザインが大きく変わりました。デザインの革新は,インプラント機能のアップグレードだけでなく,骨折治療のコンセプトの変化にも連動してきました。そのような革新のたびに,本シリーズも常にアップグレードを繰り返してきました。
社会に目をやると,この30年間で一番大きな変革は,私たちを取り巻く通信環境です。日本で初めてインターネットサービスプロバイダ(ISP)が誕生したのは『OS NOW』刊行の翌年の1992年です。ほとんどの人がスマートフォンを所有する現在,ユビキタスネットワークは常識となりました。「視覚に訴える」手術参考書として発展してきた本シリーズですが,『新OS NEXUS』では,美しいイラストに加えて動画を見られるようになりました。しかも,とても簡単に! 「百聞不如一見(百聞は一見にしかず)」の「一見」に動画が加わったことで,さらにわかりやすい書籍にアップグレードしました。
膝から足部までの骨折に関して,今が旬で絶好調の整形外科医を指名して,執筆していただきました。内容の素晴らしさは言うまでもありません。なお,下腿開放骨折に対するデブリードマン,コンパートメント症候群に対する筋膜切開,一時的創外固定に関しては,メジカルビュー社から出版済みの『新OS NEXUS No. 4 下肢の骨折手術① 骨盤・大腿骨』や『一時的創外固定マニュアル(日本四肢再建・創外固定学会)』をご覧ください。
「百聞不如一見」は,漢の皇帝が,将軍の趙充国に,敵軍と戦うために必要な兵力を尋ねたときの返答であると言われています。この言葉には,「百見不如一考,百考不如一行,百行不如一効,百行不如一幸,百幸不如一皇」という続きがあります。後世に誰かが付け加えた創作なのですが,若い先生が,「イラストや動画を見て,しっかり考えて,手術をして,良い治療成績を出し,患者さんを幸せにし,日本の医療が発展する」ことに,本書が少しでも貢献できればと思います。
2023年7月
帝京大学医学部整形外科学講座教授
帝京大学医学部附属病院外傷センター長
渡部欣忍
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目次
Ⅰ 膝関節
大腿骨顆部・顆上骨折に対するプレート固定術 [山下伸之輔]
大腿骨顆部・顆上骨折に対する逆行性髄内釘固定術 [永野賢一]
人工膝関節周囲大腿骨骨折に対する逆行性髄内釘固定術 [分島智子ほか]
人工膝関節周囲大腿骨骨折に対するプレート固定術 [倉繁智明]
膝蓋骨骨折に対するtension band wiring法(下極骨折を含む) [高畑智嗣]
脛骨顆部骨折に対するプレート固定術 [王 耀東]
Ⅱ 下腿・足関節
脛骨骨幹部骨折に対する髄内釘固定術 [堀江直行]
脛骨遠位部骨折に対する髄内釘固定術 [寺田忠司]
脛骨ピロン骨折に対するプレート固定術 [松村福広]
足関節果部骨折に対するプレート固定術 [依光正則]
Ⅲ 足部
距骨骨折(脱臼骨折を含む)に対するスクリュー固定術 [西井幸信]
踵骨骨折に対する低侵襲アプローチを用いたスクリュー固定術 [中山雄平]
リスフラン関節損傷 [松井健太郎]
中足骨骨頭・頚部・骨幹部骨折に対する髄内ワイヤー固定術 [原田将太]
基本的手術手技
下腿開放骨折に対する局所陰圧閉鎖療法 [鈴木 卓]
局所筋皮弁・植皮術 [黒住健人]
持続的局所抗菌薬灌流療法(CLAP) [佐藤直人ほか]
大腿骨顆部・顆上骨折に対するプレート固定術 [山下伸之輔]
大腿骨顆部・顆上骨折に対する逆行性髄内釘固定術 [永野賢一]
人工膝関節周囲大腿骨骨折に対する逆行性髄内釘固定術 [分島智子ほか]
人工膝関節周囲大腿骨骨折に対するプレート固定術 [倉繁智明]
膝蓋骨骨折に対するtension band wiring法(下極骨折を含む) [高畑智嗣]
脛骨顆部骨折に対するプレート固定術 [王 耀東]
Ⅱ 下腿・足関節
脛骨骨幹部骨折に対する髄内釘固定術 [堀江直行]
脛骨遠位部骨折に対する髄内釘固定術 [寺田忠司]
脛骨ピロン骨折に対するプレート固定術 [松村福広]
足関節果部骨折に対するプレート固定術 [依光正則]
Ⅲ 足部
距骨骨折(脱臼骨折を含む)に対するスクリュー固定術 [西井幸信]
踵骨骨折に対する低侵襲アプローチを用いたスクリュー固定術 [中山雄平]
リスフラン関節損傷 [松井健太郎]
中足骨骨頭・頚部・骨幹部骨折に対する髄内ワイヤー固定術 [原田将太]
基本的手術手技
下腿開放骨折に対する局所陰圧閉鎖療法 [鈴木 卓]
局所筋皮弁・植皮術 [黒住健人]
持続的局所抗菌薬灌流療法(CLAP) [佐藤直人ほか]
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専攻医がマスターしておきたい膝関節/下腿・足関節/足部の術式をピックアップ解説!
「専攻医が経験すべき手術」を全20巻でほぼ網羅。メインの特集項目に加えて,手技の理解を深める解剖学的知識を示した「Anatomy Key Point」や,知っておくと有用な基本的手術・治療手技の紹介も毎号掲載し,専攻医として必要なスキルを漏れなくカバーできるシリーズ構成となっている。さらに前シリーズからの特徴である豊富な画像と精密なイラストに加えて近シーズンではストリーミング動画も配信し,静止画では伝わりづらい部分もよくわかる!
No. 7は「下肢の骨折手術」の第2弾として,遭遇しやすい膝〜足部の骨折に対するさまざまな治療法を紹介する。