女性のがんサバイバー
フォローアップQ&A
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定価 4,950円(税込) (本体4,500円+税)
- B5判 176ページ 2色,イラスト50点,写真10点
- 2023年12月24日刊行
- ISBN978-4-7583-2146-4
電子版
序文
「女性のがんサバイバー フォローアップQ&A」発刊にあたって
日本婦人科腫瘍学会(JSGO)が創立25周年を迎えるにあたり,がん診療に役立つ書籍を発刊してはどうか,と片渕秀隆理事長(当時)から提案があり,25周年記念事業運営小委員会内に書籍担当が設置されました。小委員会では書籍内容の企画立案から始めたわけですが,今の婦人科がんの診療において何が必要とされるかという視点で,議論を進めてきました。
JSGOではこれまでに,産婦人科医が扱うすべての悪性腫瘍に関する治療ガイドラインを発刊してきました。また,患者さんやその家族が自分の病気や治療法を正しく理解していただけるように,ガイドラインの解説書も発刊してきました。初版の発刊から約20年が経過し,治療ガイドラインが広く臨床現場に浸透し治療成績の向上に寄与していると自負しています。一方で,これらの書籍はがんの治療に主眼が置かれたものであり,今後は,治療中および治療後の患者が抱えるQOLや健康状態に関する問題を医療従事者が共有し解決していくことが重要であると考え,本書の企画に至りました。
また,治療が一段落すると,紹介元である地域の産婦人科医療施設や診療所でフォローアップされることも多くなります。そのため,がんサバイバーの抱える問題を,多くの産婦人科医療施設の共有認識として理解することが大切になります。さまざまな施設で本書を活用していただくためには,がんサバイバーがもつ多様な疑問をあらかじめ設定し,その回答例と解説を記載するQ&A形式がふさわしいと考え,本書のような構成としました
本書は,乳癌を含めたがん治療の合併症ケアや治療後のヘルスケアのみならず,経済的問題や就労問題,さらには,スティグマ,ヘルスリテラシーといった成書ではなかなか取り上げられない心理的・社会的問題のQ&Aと解説を設けています。本書の内容は,JSGOが発刊している治療ガイドラインの内容を補完するものとなっていますので,外来の診察室に本書を置き,診療に役立てていただければと思います。
本書を発刊するにあたり,40名の医師が真摯に執筆してくださいました。また,発刊にあたり,企画段階から三上幹男理事長,片渕秀隆前理事長,鈴木 直委員長はじめ,数々の先生方から貴重な助言をいただきました。ご尽力いただいた先生方に甚大なる敬意を表します。本書が産婦人科医に広く活用され,そして,がんサバイバーシップの理解とがんサバイバーのQOL向上に役立つことを願っております。
2023年11月
日本婦人科腫瘍学会 創立25周年記念事業運営小委員会
記念書籍担当
永瀬 智,馬場 長,大原 樹,野上侑哉,本原剛志
安彦 郁,栗田智子,渋谷祐介,高橋一彰,町田弘子
日本婦人科腫瘍学会(JSGO)が創立25周年を迎えるにあたり,がん診療に役立つ書籍を発刊してはどうか,と片渕秀隆理事長(当時)から提案があり,25周年記念事業運営小委員会内に書籍担当が設置されました。小委員会では書籍内容の企画立案から始めたわけですが,今の婦人科がんの診療において何が必要とされるかという視点で,議論を進めてきました。
JSGOではこれまでに,産婦人科医が扱うすべての悪性腫瘍に関する治療ガイドラインを発刊してきました。また,患者さんやその家族が自分の病気や治療法を正しく理解していただけるように,ガイドラインの解説書も発刊してきました。初版の発刊から約20年が経過し,治療ガイドラインが広く臨床現場に浸透し治療成績の向上に寄与していると自負しています。一方で,これらの書籍はがんの治療に主眼が置かれたものであり,今後は,治療中および治療後の患者が抱えるQOLや健康状態に関する問題を医療従事者が共有し解決していくことが重要であると考え,本書の企画に至りました。
また,治療が一段落すると,紹介元である地域の産婦人科医療施設や診療所でフォローアップされることも多くなります。そのため,がんサバイバーの抱える問題を,多くの産婦人科医療施設の共有認識として理解することが大切になります。さまざまな施設で本書を活用していただくためには,がんサバイバーがもつ多様な疑問をあらかじめ設定し,その回答例と解説を記載するQ&A形式がふさわしいと考え,本書のような構成としました
本書は,乳癌を含めたがん治療の合併症ケアや治療後のヘルスケアのみならず,経済的問題や就労問題,さらには,スティグマ,ヘルスリテラシーといった成書ではなかなか取り上げられない心理的・社会的問題のQ&Aと解説を設けています。本書の内容は,JSGOが発刊している治療ガイドラインの内容を補完するものとなっていますので,外来の診察室に本書を置き,診療に役立てていただければと思います。
本書を発刊するにあたり,40名の医師が真摯に執筆してくださいました。また,発刊にあたり,企画段階から三上幹男理事長,片渕秀隆前理事長,鈴木 直委員長はじめ,数々の先生方から貴重な助言をいただきました。ご尽力いただいた先生方に甚大なる敬意を表します。本書が産婦人科医に広く活用され,そして,がんサバイバーシップの理解とがんサバイバーのQOL向上に役立つことを願っております。
2023年11月
日本婦人科腫瘍学会 創立25周年記念事業運営小委員会
記念書籍担当
永瀬 智,馬場 長,大原 樹,野上侑哉,本原剛志
安彦 郁,栗田智子,渋谷祐介,高橋一彰,町田弘子
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目次
Ⅰ章 総論
1 子宮頸癌
2 子宮体癌
3 卵巣癌
4 乳癌
Ⅱ章 合併症とそのケア
1 リンパ浮腫
2 排尿障害について(排尿障害の発生機序・排尿障害の頻度・放射線治療後の排尿障害について)
3 腸障害
4 慢性疼痛
5 エストロゲン欠落症状
6 薬物療法による有害事象関連とそのケア
7 認知障害:ケモブレイン,がん関連認知機能障害
8 アピアランスケア
Ⅲ章 乳癌
総説
1 妊孕性温存
2 リスク低減乳房切除術と乳房再建
3 心臓合併症
4 HBOC(遺伝性乳癌卵巣癌)
Ⅳ章 再発
1 再発
Ⅴ章 治療後のヘルスケア
1 生活習慣病
2 骨粗鬆症
3 がんロコモとフレイル
4 代替療法について(健康食品,サプリメントなど)
5 ワクチンについて
6 二次がん
Ⅵ章 心理的・社会的問題
1 不安・うつ
2 家族計画
3 セクシュアリティ
4 経済的問題
5 就労問題
6 スティグマ
7 ヘルスリテラシー
1 子宮頸癌
2 子宮体癌
3 卵巣癌
4 乳癌
Ⅱ章 合併症とそのケア
1 リンパ浮腫
2 排尿障害について(排尿障害の発生機序・排尿障害の頻度・放射線治療後の排尿障害について)
3 腸障害
4 慢性疼痛
5 エストロゲン欠落症状
6 薬物療法による有害事象関連とそのケア
7 認知障害:ケモブレイン,がん関連認知機能障害
8 アピアランスケア
Ⅲ章 乳癌
総説
1 妊孕性温存
2 リスク低減乳房切除術と乳房再建
3 心臓合併症
4 HBOC(遺伝性乳癌卵巣癌)
Ⅳ章 再発
1 再発
Ⅴ章 治療後のヘルスケア
1 生活習慣病
2 骨粗鬆症
3 がんロコモとフレイル
4 代替療法について(健康食品,サプリメントなど)
5 ワクチンについて
6 二次がん
Ⅵ章 心理的・社会的問題
1 不安・うつ
2 家族計画
3 セクシュアリティ
4 経済的問題
5 就労問題
6 スティグマ
7 ヘルスリテラシー
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がんサバイバー女性からの質問,きちんと対処できますか?
⻑期生存率の改善に伴い増加しつつある婦人科がんサバイバーのフォローアップを解説する一般産婦人科医/かかりつけ医向けのテキスト。
見開き2ページ単位のQ&A形式で患者から頻繁に聞かれるような質問を中心に,写真や図表を多用して外来で患者説明に利用できる形式の回答例を紹介し,またフォローアップで直面することが多い二次がん・再発,心理的・社会的問題への対応等も記載。医師向けの解説も別に掲載しており,一般の産婦人科医・内科医が実際に患者のフォローアップに当たることができる内容となっている。
日本婦人科腫瘍学会の創立25周年を記念する公式テキスト。