理学療法マネジメント

脊柱理学療法マネジメント

病態に基づき機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く

脊柱理学療法マネジメント

■編集 成田 崇矢

定価 6,160円(税込) (本体5,600円+税)
  • B5判  356ページ  2色(一部カラー),イラスト150点,写真400点
  • 2019年2月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1913-3

頸部痛・腰痛に対する理学療法評価・解釈・治療アプローチを詳細に解説!

関節の機能障害に対する評価・解釈・アプローチ法を詳細に解説する『理学療法マネジメント』シリーズ。
本書では頸部痛・腰痛に重点を置き,脊柱各部位における代表的な疾患の病態を整形外科医が解説し,それを受け理学療法士が,評価法や評価結果の解釈の仕方,理学療法アプローチについてエビデンスを交えながら詳細に解説。また,代表的な疾患別のケーススタディも併せて掲載し,臨床実践するうえでのポイントや判断,実際の理学療法について解説している。
さらに,頸部・腰部に対するトレーニングや徒手療法,妊婦・産褥婦の腰痛に対するアプローチも紹介。
 病態に対する理解を深め,限られた期間でも効果的で計画的なリハビリテーションを実施する「理学療法マネジメント能力」を身に付けられる1冊となっている。


序文

編集の序

 腰痛は,人類の8割以上が一生のうち1度は経験するといわれ,理学療法士だけでなく,一般の方においても馴染み深い病態です。しかしながら,この脊柱(腰部)の痛みに対する病理学的診断は困難であり,特に画像上問題を確認できない腰痛は「非特異的腰痛」とよばれています。この非特異的腰痛に対する理学療法はこれまで,疼痛発生メカニズムの改善ではなく,疼痛緩和を目的とした対症療法が主に行われてきました。そのため,わが国の腰痛診療ガイドラインにおいて,運動療法および徒手療法に関しても,急性・慢性腰痛に対する効果は実証されておらず,理学療法の効果は限定的であるとされています。
 このような現状を生んでしまった一つの原因は,理学療法士養成校における教育が国家試験合格率を高めることに比重を置いており,上に例として挙げた腰痛だけでなくすべての病態に対する思考過程を学ぶ機会が少ないことにあると考えます。そのため,理学療法の内容は理学療法士個々に委ねられ,理学療法が標準化されていないのが実状です。そこで本書は脊柱理学療法の標準化を目指し,病態を理解し,機能評価の結果から仮説を立て,検証(理学療法)するという理学療法を成功させるための基本が学べるように構成いたしました。
 わが国の理学療法は,世界では数少ない,制度上理学療法士へのダイレクトアクセスが認められていない国であり,医師の指示の下に理学療法を行うことが義務付けられています。裏を返せば世界で最も医師と一緒に医療を行える理学療法士であるといえます。医師の先生方は我々よりもはるかに病態を理解しています。積極的に医師の先生方から病態に関して学んでほしいと考えます。本書においてはⅡ章にて,その領域の第一人者である医師の先生方に脊柱各部位における病態を解説して頂きました。
 また,理学療法士の思考過程を学ぶために,Ⅲ章において機能面(メカニカルストレス)から捉えた評価/マネジメントに関して,Ⅳ章では病態を踏まえて医師から診断名が下された後,機能障害をどのように評価し,その結果を解釈し,理学療法の方向性を定めるかといった過程を経験豊富な先生方に解説して頂きました。
 本書は,ご執筆頂いた先生方のおかげで素晴らしい本になったと自信をもって言えます。お忙しいなか執筆してくださった先生方に心より感謝致します。また,本書が理学療法士だけでなく多くの臨床家の道標になり,多くの患者が救われることを願っています。

2019年1月
成田崇矢
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目次

Ⅰ章 脊柱理学療法の概要
 1 脊柱理学療法の考え方  成田崇矢
  はじめに
  脊柱理学療法の考え方
  おわりに
 2 脊柱の機能解剖とバイオメカニクス  大久保 雄
  はじめに
  脊椎の運動機能
  腰椎運動による力学的ストレス
  脊椎の安定性機能
  各体幹筋の機能解剖
  
Ⅱ章 病態を知る
 1 病態を知る(頚椎)  金岡恒治
  はじめに
  頚椎捻挫
  頚椎椎間関節障害
  変形性頚椎症
  筋・筋膜由来の頚部痛
  頚部障害に対する診断と治療
  おわりに:理学療法士(セラピスト)に望むこと
 2 病態を知る(腰椎)   加藤欽志
  椎間板性腰痛
  腰椎椎間板ヘルニア
  椎間関節性腰痛
  腰部脊柱管狭窄症
  おわりに:理学療法士(セラピスト)に望むこと
 3 病態を知る(腰椎分離症)   眞鍋裕昭・西良浩一
  はじめに
  発生メカニズム
  病態について
  診断方法
  治療方法
  おわりに:理学療法士(セラピスト)に望むこと
 4 病態を知る(仙腸関節)  黒澤大輔・村上栄一
  はじめに
  発生メカニズム
  病態について
  病態に対する診断方法
  病態に対する医学的な治療
  おわりに:理学療法士(セラピスト)に望むこと
 5 病態を知る(筋・筋膜性腰痛)   金岡恒治
  はじめに
  筋・筋膜性腰痛
  筋付着部障害
  体幹筋肉離れ障害
  筋・筋膜性腰痛の評価
  筋・筋膜性腰痛の発生メカニズム
  発生メカニズムに基づいた対処方法
  筋・筋膜性腰痛に対する治療方法
  おわりに:理学療法士(セラピスト)に望むこと
 6 手術特性を知る  加藤欽志
  はじめに
  頚部椎弓形成術(脊柱管拡大術)
  頚椎前方除圧固定術
  腰椎椎間板ヘルニア摘出術
  腰椎椎弓骨切り術
  腰仙椎部固定術(インストルメント併用)
 7 慢性腰痛   加藤欽志
  はじめに
  慢性腰痛の診断のポイント
  特徴的な自覚症状や理学所見
  慢性腰痛に対するマネジメント

Ⅲ章 部位・症状別 評価/マネジメント
 1 頚部痛  高﨑博司
  はじめに
  基本的知識
  頚部痛の評価
  頚部痛の治療手技
 2 伸展型腰痛  石垣直輝
  はじめに
  基本的知識
  伸展型腰痛の評価
  伸展型腰痛の治療
  おわりに
 3 屈曲型腰痛  折笠祐太・成田崇矢
  はじめに
  基本的知識
  屈曲型腰痛の構造学的推論
  屈曲型腰痛の力学的推論
  屈曲型腰痛に対する運動療法
  おわりに
 4 回旋型腰痛  河端将司
  はじめに
  基本的知識
  回旋型腰痛の評価
  回旋型腰痛の治療
 5 荷重伝達障害(仙腸関節障害の一病態)  蒲田和芳
  はじめに
  荷重伝達障害の概要
  荷重伝達障害の評価
  荷重伝達障害の治療とマネジメント
 6 神経症状(殿部,下肢)を有する腰痛   赤坂清和
  はじめに
  基本的知識
  神経症状(殿部,下肢)を有する腰痛に対する評価
  神経症状(殿部,下肢)を有する腰痛に対する理学療法
  おわりに

Ⅳ章 疾患別マネジメント(ケーススタディ)
 1 外傷性頚椎症(むち打ち症)  高﨑博司
  はじめに
  基本的知識
  症例情報
  理学療法評価
  エクササイズのプログレッション
  理学療法終了の目安
 2 頚椎椎間板ヘルニア  杉山弘樹・成田崇矢
  症例情報
  理学療法評価
  理学療法と効果
  まとめ
 3 筋・筋膜性頚部症(肩こり)  河端将司
  症例情報
  理学療法評価
  理学療法と効果
  まとめ
 4 椎間板性腰痛  手塚武士・成田崇矢
  症例情報
  理学療法評価
  統合と解釈
  理学療法と効果
  結果の解釈および椎間板性腰痛に対する考え方
 5 腰椎椎間板ヘルニア  石田和宏
  はじめに
  症例情報
  理学療法評価と解釈
  理学療法と効果
  まとめ
 6 椎間関節性腰痛  石垣直輝
  はじめに
  基本的知識
  症例紹介
  理学療法評価
  理学療法と効果
  まとめ
 7 腰部脊柱管狭窄症  三木貴弘
  はじめに
  症例情報
  理学療法評価
  理学療法と効果
  経過(治療開始から8週後)
  まとめ
 8 腰椎分離症  杉浦史郎・高田彰人・
  青木保親・岡本 弦・西川 悟
  腰椎分離症のリハビリテーション
  CT病期別の発育期腰椎分離症リハビリテーションプロトコール
  スポーツ復帰許可が下りてからのアスレティックリハビリテーション
  症例情報
  理学療法と効果
  まとめ
 9 仙腸関節障害  蒲田和芳・伊藤一也
  はじめに
  症例紹介
  理学療法評価
  理学療法と効果
  経過
  まとめ

Ⅴ章 脊柱に対するアプローチの紹介
 1 頚部に対するトレーニングの実際  芋生祥之
  はじめに
  基本的知識
  頚部に対するトレーニング
  頚部のトレーニング効果をより高めるための知識やアプローチ
  おわりに
 2 腰部に対する徒手理学療法の実際  来間弘展
  はじめに
  基本的知識
  腰部障害の評価
  客観的評価
  治療手技
  おわりに
 3 妊婦,産褥婦の腰痛に対するアプローチの実際   荒木智子
  はじめに
  基本的知識
  妊産婦の腰痛に対する評価・アプローチ
 4 腰部に対するバイニーアプローチの実際  佐藤純也・山岸茂則・舟波真一
  はじめに
  腰痛の成因
  各機能障害の評価
  各機能障害の治療
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