OGS NOW 5

子宮頸癌・外陰癌の手術

理論と実際

子宮頸癌・外陰癌の手術

■担当編集委員 櫻木 範明

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  160ページ  オールカラー,イラスト200点,写真50点
  • 2011年1月31日刊行
  • ISBN978-4-7583-1204-2

イラストを中心に“手術のコツと注意点”を随所に配したオールカラービジュアル手術書

No.5では子宮頸癌・外陰癌の手術について,解剖から始まり,腹腔鏡も含めたさまざまなアプローチを取り上げ,しっかりと知識を身につけることができるような内容となっている。基本的な項目を基に,アドバンストな項目も掲載した第一線の著者らによる解説は,初心者はもちろんのこと,経験を積んだ医師にとっても,さらなるステップアップへの礎となるであろう。

■シリーズ編集委員
平松祐司/小西郁生/櫻木範明/竹田 省


序文

 この度OGS Nowシリーズ第5巻として子宮頸癌・外陰癌の手術を刊行する運びとなった。
 子宮頸癌の治療に必須の術式である広汎子宮全摘術はWertheimにより考案され,わが国における改良を経て岡林術式となり,膀胱子宮靱帯後層の分離切断が行われることで尿管授動範囲が拡大され,十分な腟壁と頸部・腟傍組織を切除することが可能となり,きわめて根治性の高い術式へと進化を遂げた。
 さらに子宮頸癌の進展様式についての病理組織学的理解や骨盤臓器の解剖学的研究が進み,手術治療の個別化・縮小化が図られている。子宮頸癌患者の若年化もあり,術後の卵巣機能,腟機能,膀胱機能の維持やリンパ浮腫予防を考慮した手術治療の工夫も大切である。
 広汎子宮全摘術をマスターすることが女性骨盤解剖の理解を深め,他の産婦人科手術を安全に行い,困難な事態にも動ずることなく望めるようになるので是非とも挑戦して欲しい手術である。この術式にふさわしい開腹・閉腹の基本から広汎子宮頸部切除術,鏡視下広汎子宮全摘術などのchallengingな術式まで網羅している。
 外陰癌については高齢化などを背景にわが国でも増加していくことが予想される。外陰癌の手術も広汎外陰切除術に加えて,症例に応じた,より縮小した切除範囲による術式の導入が進んできている。外陰癌の治療にも根治性とともにQOLを考慮することの必要性が高いことはいうまでもない。
 さらに,今後間違いなく取り入れられていくことになるセンチネルリンパ節生検の応用についても項を設けた。
 分担執筆者の先生方は手術を進めるうえでの重要な理論的考察を踏まえて術式を解説してくれているので,本書は初心者から専門医まで広い範囲の読者の期待に応えられる教科書になったと確信している。担当をお引き受け頂いた先生がたに深く感謝と敬意を捧げることで本書の序とさせて頂く。

2011 年1 月
櫻木範明
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目次

広汎子宮全摘術と骨盤解剖  櫻木範明
広汎子宮全摘術の開腹と閉腹  加藤秀則
子宮頸癌の後腹膜リンパ節郭清  加藤友康ほか
広汎子宮全摘術(岡林術式)  小西郁生
広汎子宮全摘術(小林術式)  吉川裕之
広汎子宮全摘術(機能温存手技)  金子優典
広汎子宮全摘術(鏡視下)  安藤正明ほか
広汎性子宮頸部摘出術  藤井多久磨ほか
腟式広汎子宮頸部切除術  斎藤 豪ほか
準広汎子宮全摘術  宇津木久仁子ほか
子宮頸部円錐切除術 cervical conization  平松祐司
広汎外陰切除術  齋藤俊章
外陰癌拡大局所切除・単純外陰切除術  野河孝充ほか
子宮頸癌・外陰癌のSLN同定  徳永英樹ほか
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