腹腔鏡下消化器外科手術 標準手技シリーズ 3

胆道・膵臓

胆道・膵臓

■編集 山下 裕一

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  160ページ  オールカラー,イラスト200点,写真50点
  • 2015年3月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1163-2

イラストでみる,腹腔鏡下消化器手術の決定版

イラストで腹腔鏡下消化器外科手術の基本を学べる,部位別全4冊の新シリーズ。
近年,消化器外科手術は侵襲の少ない腹腔鏡による手術が主流である。開腹手術とは視野も手技も異なり,安全かつ確実な手術のために,術者には一定の技術が求められる。本巻では,胆道・膵臓の腹腔鏡下手術を取り上げ,術前管理から術後管理まで一連の手術の流れに沿って,助手が行うべき手技も含めて,手術場面ごとにポイントを解説。
「標準的手技」や「基本手技」をしっかり押さえて,安全かつ確実な手術を行うための手術書の決定版!

■シリーズ編集主幹
北野正剛


序文

巻頭言

 腹腔鏡下手術が我が国に導入されたのは,1990年のことである。初めて腹腔鏡下胆嚢摘出術に接したとき,「Big surgeonは,big incisionを好む」という時代から,低侵襲手術という新しい時代への到来を予感し,心がときめいたものである。
 それからの25年間,多くの外科医の研鑽のおかげで,腹腔鏡下手術は,急速に健全な発展を遂げてきた。中でも,日本内視鏡外科学会(JSES)の功績は大きい。現状把握のための全国アンケート調査,手術手技の向上のための「教育セミナー」や「縫合・結紮手技講習会」,さらにはその指導者を育成するための「技術認定医制度」の設立,臓器別の研究会や地域での研究会支援など,幅広い推進事業を展開してきた。
 一方,胆嚢摘出術から始まった腹腔鏡下手術の適応拡大が,我が国を中心として進められ,良性疾患のみならず,悪性疾患を対象とした新しい多くの手術手技が開発されてきた。さらに,手技の標準化に向けて,改良が加えられてきた結果,多くの術式が,標準術式として社会に受け入れられるまでに成長してきた。
 本書「腹腔鏡下消化器外科手術 標準手技シリーズ(全4巻)」は,まさに,このような時代にマッチした書物であり,過去25年間の内視鏡外科医の努力の集大成だと言える。そこで,消化器外科領域において,腹腔鏡下手術のリーダーである4名の先生方,北川雄光教授(慶應義塾大学),坂井義治教授(京都大学),山下裕一教授(福岡大学),若林 剛教授(岩手医科大学)に各巻のご編集をお願いし,現在,ご活躍している先生方にご執筆いただいた。おかげさまで,どの巻においても,素晴らしい執筆者の選定がなされており,他に類をみない,実践的な,そして教育的な手術書のシリーズが編纂されたと自負している。この場を借りて,編者の先生方と執筆者の先生方に厚く御礼を申し上げたい。
 手術は,剥離操作,切離操作,止血操作,縫合・吻合操作などの基本操作から構成される。それらを適切に施行するためには,解剖学的知識と愛護的操作が求められる。腹腔鏡下手術においては,拡大視野のもと,長い鉗子やエネルギー機器による操作が求められる。本シリーズを通じて,腹腔鏡下消化器外科手術の標準手技におけるエキスパートたちの愛護的な操作を満喫していただき,本シリーズが低侵襲手術を実践する一助となれば幸いである。
 最後に,このようなすばらしい手術書を出版していただいたメジカルビュー社とご担当いただいた吉田富生氏と宮澤 進氏に心から感謝申し上げたい。

平成27年2月吉日  
編集主幹 北野 正剛
(大分大学長)
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 本邦における内視鏡外科手術は,1990年に腹腔鏡下胆嚢摘出術が開始され,既に25年が経過しようとしている。初期には,急性炎症の無い胆嚢摘出術が対象であり,急性胆嚢炎は適応外とされていた。外科医の手術手技の習熟,内視鏡外科手術用の器具や機器の高性能化,ビデオ映像装置の進歩などの様々な要素の発展により,急性胆嚢炎は瞬く間に適応となった。それと同時に,肺や胃・大腸の疾患に手術対象は広がり,それらの良性疾患から早期癌,そして進行癌へと適応がさらに広がっていった。そして今や,その適応は肝臓・膵臓などの実質臓器の外科手術へと加速度的に拡大している。
 過去25年に及ぶ内視鏡外科手術の展開は,一方で外科のグローバル化を大きく促進する役目を果たしてきた。このグローバル化は後戻りすることはない。日本の外科医達は,今後の外科の発展において厳しいグローバル化に曝され,それにより大きく発展する正念場を迎える。我が国の開腹・開胸手術時代の悪性腫瘍における根治的リンパ節郭清の開発と成績は,世界に誇れる成績を示した。今,世界中の外科医達は,全力で内視鏡外科手術のエビデンス作りを行い続けている。今後の内視鏡外科手術時代において,我が国から世界に発信できる外科学を担う若い世代の外科医に,ノウハウを伝えることは大切である。
 若い外科医にとり,外科学のText bookは重要であり,また優れた外科医の手術手技と理念を習得できる手術書は外科医の技術を確かなものにする。この時代,自己流の手術に陥ることなく,標準的な手術法を習得することは重要である。本書は,後者の手術書である。この『腹腔鏡下消化器外科手術 標準手術シリーズ 第3巻 胆道・膵臓』では,胆道と膵臓の良性疾患に対する10術式に悪性疾患の2術式を加え,その術式のリーダー的先生に執筆をお願いした。
 今後10年間は,胆道や膵臓の疾患に腹腔鏡下手術の適応拡大が進むものと思われる。それも新しい機器や技術,そして新規の手術概念が導入されることにより,開腹術と同等の治療成績を示す時代が到来するものと思われる。本書は,この先駆けの手術書である。是非,読者の皆様は,術前日に本書を手にとり,明日の手術のシュミュレーションを頭に描き,また術後に確認する手術書として利用して頂ければ,著者らの望外
の喜びです。

2015年2月
編集 山下 裕一
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目次

腹腔鏡下胆嚢摘出術(通常) (山下裕一,乗富智明)
腹腔鏡下胆嚢摘出術(高度炎症例) (鈴木憲次,奥村拓也,木村泰三)
腹腔鏡下総胆管切石術 (松村直樹,徳村弘実)
先天性胆道拡張症の手術 (大塚隆生,高畑俊一,田中雅夫)
腹腔鏡下脾臓温存膵体尾部切除術(Warshaw 手術) (黒木 保,北里 周,江口 晋)
腹腔鏡下脾臓温存膵体尾部切除術(脾動静脈温存) (中島 洋,安藤陽平,中村雅史)
腹腔鏡下膵腫瘍核出術 (高畑俊一,大塚隆生,田中雅夫)
腹腔鏡下膵中央切除術 (松下 晃,中村慶春,内田英二)
腹腔鏡下膵仮性嚢胞胃開窓術 (森 俊幸,鈴木 裕,横山政明ほか)
腹腔鏡下膵仮性嚢胞消化管吻合術 (森川孝則,内藤 剛,海野倫明)
腹腔鏡下膵体尾部切除術(脾摘を伴う) (太田正之,矢田一宏,北野正剛)
腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術  (中村慶春,松下 晃,内田英二)
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